―本作はもともと構想があったものなのですか?
- 大高:
- いつかはやってみたいと思っていた内容ではありました。10年後とか?(笑)そんな中、このような機会を提案頂きました。自分がアニメファンの皆様のために何が出来るかということも考えていた時期でもあったので、今回は原案として関わらせて頂きました。漫画については、うまければ誰でも良いというわけではなかったので、マギの世界観を理解しているアシスタントの方に描いて頂きたいと思ったんです。それで今回大寺義史さんにお願いしました。背景の設定や各国の武器設定など、その他にも様々な部分をやってもらっていました。普段から自分の絵と間違えてしまうくらいキャラクターもつかんでくれていたんです。だから「シンドバッドの冒険」に一番適任だと思いました。重いお仕事とわかってのお願いでした(笑)
- 大寺:
- そうですね(笑)お話を頂いた時は本当に光栄でしたし嬉しかったです!その反面、こんな大役がつとまるのかと不安でいっぱいでした…。自分が漫画を描いてしまってファンの皆様の期待を裏切らないだろうかなど色々と心配で。そもそも大寺は誰なんだ!と思いますよね(笑) それでも精一杯頑張るぞ!とは思ったんですが…!大高先生の絵はとても難しいですし、まずは形からじゃないですが、ペンや修正液などの道具も先生と同じものを購入しました(笑)作家生命をかけて本気で頑張りたいと思ったんです。
- 大高:
- そこまでして頂いていたんですね(笑)!ありがとうございます。
―本作はどのようなお話なのですか?
- 大寺:
- 今回のお話はシンドバッドが14歳の頃の設定でバアルという迷宮を攻略するお話になっています。実際はコミックス1巻分くらいはある分量のお話なのですが、今回は70ページにギュッとおさめています。シンドバッドがなぜ迷宮バアルに向かおうとするのか、またその過程などを描いています。
- 大高:
- 同じく少年時代の八人将の一人がシンドバッドにどのようにして出会うのか、というところにも少しふれていますね。
- 大寺:
- そうですね!八人将の少年時代も見ることができるのでとても貴重なものだと思います。
―本作の登場キャラクターについてお話を伺えますか?
- 大寺:
- 今回の主役はなんといってもシンドバッドですよね。
- 大高:
- そうですね~。シンドバッドというキャラはマギの中でも重要なキャラですし、少年時代は大事ですね。
- 大寺:
- そしてそのシンドバッドのお母さんも出てきますね。
- 大高:
- シンドバッド一家はパルテビアの漁村に住んでいて少し貧しいという設定は初期から作っていたのですが、このあたりのお話は今までどこにも出ていないんです。あとはユナンや第1迷宮のジン・バアルなどが登場します。ちなみにシンドバッドのお母さんとバアルは大寺さんのオリジナルデザインです。
- 大寺:
- 実はバアルはかなり気合いを入れて描きました(笑)他のキャラとかぶらないようなものにしたかったんです。アモンやパイモンなど、インパクトの強いキャラが多いですし。炎を操るドラゴンのジン…なぜか無機物っぽくロボットっぽくしたかったんです(笑)
- 大高:
- 確かに改めて見みてみると体のウロコがロボットっぽい(笑)
- 大寺:
- そうなんです。バアルにも注目して頂けたら嬉しいです!
―12月5日発売号のサンデー本誌で本作の更に前のお話が掲載されますとの事ですが、こちらに関しても簡単にお話を伺えますか?
- 大寺:
- このお話は「シンドバッドの冒険」の更に前の、シンドバッドが生まれた時のお話になります。意味合いとしては今回の漫画の予告編という感じです。是非、ご覧頂きたいです。
―それでは最後にファンの皆様に向けて一言ずつ頂ければと思います。
- 大寺:
- アニメ「マギ」という作品にこんな形で携われると思わなかったので本当に嬉しく思っています。作家生命をかけて頑張って描かせて頂きましたので、是非、読んで頂きたいです。
- 大高:
- 作家生命(笑)本当にありがたいです。アニメ化という機会を頂いて実現したこの企画は、本当に奇跡的に出来上がったものだと思っています。大寺さんにも本気で漫画を描いて頂き、二人三脚で頑張って作ったものになりますので是非皆様にご覧頂けますと嬉しいです。